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2017年12月 2日 (土)

もんじゅ 設計、廃炉想定せず ナトリウム搬出困難

毎日新聞 2017/11/29より

日本原子力研究開発機構は、2016年12月に廃炉が決定した高速増殖炉「もんじゅ」が、核燃料冷却用の液体ナトリウムを抜き取ることを想定した設計になっていないことを明らかにしました。

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もんじゅは、上図のように、原子炉が隔壁に覆われ、かつ、液面が一定以上に下がらないようになっており、更にこのナトリウムが放射能を帯びているので、人も近付けません。

ナトリウムは常圧でも880℃まで液体であり、熱伝導率も高いため、冷却材としては優れています。しかし、ナトリウムは水に触れると激しく反応し、爆発を起こすので、大変扱いにくい物質です。
従って、このように元々の設計に不備がある構造では、廃炉が恐ろしく困難になることが予想されます。

小林圭二・元京都大原子炉実験所講師は「設計レベルで欠陥があると言わざるを得ない。取り扱いの難しいナトリウムの抜き取りでミスがあれば大事故に直結しかねない」としています。

解体の方法すら計画しないプラントなど通常はあり得ません。この件は、この国の原子力行政・業界の異常さを端的に物語っているのではないでしょうか?

【以下全文】
廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると、日本原子力研究開発機構が明らかにした。放射能を帯びたナトリウムの抜き取りは廃炉初期段階の重要課題だが、同機構が近く原子力規制委員会に申請する廃炉計画には具体的な抜き取り方法を記載できない見通しだ。
 通常の原発は核燃料の冷却に水を使うが、もんじゅは核燃料中のプルトニウムを増殖させるため液体ナトリウムで冷やす。ナトリウムは空気に触れれば発火し、水に触れると爆発的に化学反応を起こす。もんじゅでは1995年にナトリウムが漏れる事故が起き、長期停止の一因になった。
 原子力機構によると、直接核燃料に触れる1次冷却系の設備は合金製の隔壁に覆われ、原子炉容器に近づけない。また、原子炉容器内は燃料の露出を防ぐため、ナトリウムが一定量以下にならないような構造になっている。このため1次冷却系のナトリウム約760トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは抜き取れない構造だという。
 運転を開始した94年以来、原子炉容器内のナトリウムを抜き取ったことは一度もない。
 原子力機構幹部は取材に対し「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった」と、原子炉容器内の液体ナトリウム抜き取りを想定していないことを認めた。炉内のナトリウムは放射能を帯びているため、人が近づいて作業をすることは難しい。
 原子力機構は来年度にも設置する廃炉専門の部署で抜き取り方法を検討するとしているが、規制委側は「原子炉からナトリウムを抜き取る穴がなく、安全に抜き取る技術も確立していない」と懸念する。
 もんじゅに詳しい小林圭二・元京都大原子炉実験所講師は「設計レベルで欠陥があると言わざるを得ない。炉の構造を理解している職員も少なくなっていると思われ、取り扱いの難しいナトリウムの抜き取りでミスがあれば大事故に直結しかねない」と指摘する。【鈴木理之】

 ■ことば
高速増殖原型炉「もんじゅ」
 プルトニウムとウランの混合酸化物を燃料に、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出す原子炉。出力28万キロワット。原型炉は実用化までの4段階のうちの2段階目。1994年に運転開始したが、95年に2次冷却系のナトリウムが漏れる事故が発生し、長期運転停止。その後も点検漏れなど不祥事が相次ぎ、約250日しか稼働しないまま昨年12月に政府が廃炉を決めた。


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