3・11 東海第二原発に迫っていた危機
日本原子力発電(原電)は、東海第二の安全対策工事費として約1740億円を投じ、2021年3月以降の再稼働を目指しています。全部を自己資金では賄えないため、送電先の東電と東北電力2社から資金援助を受けるとしています。
【図】原電を支援する東電
しかし、東海第二原発は1978年11月稼働してから40年が経つ古い原発である上、3.11の際、メルトダウン寸前の事故を起こしています。
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(参考)
2014/11/22 ハテヘイの日記
2014/1/21 カレイドスコープ
参考図書:『東海村・村長の「脱原発」論』(村上達也・神保哲生著)
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3・11のとき、東海第二原発にも津波は押し寄せて来ました。
【図】3.11 東海第二原発海域の津波状況
防潮壁の高さは6.11m、津波の高さ5.4mで、その差70cm。防潮壁工事が完了したのが、3・11の2日前。しかしケーブルを通す孔や排水用側溝を塞ぐ工事がまだ残っており、そこから津波が敷地内に侵入し、非常用発電機3台の内、1台が故障していたのです。残り2台は、40cmだけ背が高かったから辛うじて動き続けた、という恐ろしい事実があったのです。
国会事故調報告書でも
「津波の規模や威力、頻度、その侵入経路によっては、(中略)全ての非常用ディーゼル発電機が機能を喪失し所内交流電源を失うため、現実に発生していた外部電源喪失と相まって全交流電源喪失に至る(可能性があった)。」
としています。
3・11前後の東海第二原発の状況は、以下のようになります。
2011年
3/9 防潮壁の嵩上げ終了。(4.9m→6.11m)
3/11 14:46 東日本大震災発生。東海第二原発を5.72mの津波が襲う。
外部電源をすべて喪失。
非常用ディーゼル発電機冷却用海水ポンプ3台のうち1台が浸水で停止、その影響で原子炉を冷やす残留熱除去海水系(RHRS)の2系統のうち、1系統が使用不能。
3/13 19:37 外部電源が復旧
3/15 0:40 原子炉が冷温停止(原子炉温度が100℃未満になること)
3/23 村上達也東海村村長(当時)に原電が事故を初報告。
その後も10月まで170回のベント(原子炉格納器内が高圧になり、冷却水が入らなくなることを防ぐための排気)が行われました。しかし、放出された放射線量は未公表のままです。
もし東海第二原発が福島第一原発と同様なメルトダウン事故を起こせば、人口密集地での事故となるので、5キロ圏で6万人、10キロ圏で30万人、20キロ圏で75万人、30キロ圏で94万人になるそうです(東京までは110キロ)。そうなったら避難者を受け入れる自治体など存在せず、東京は勿論パニック状態に陥るでしょう。
【図】福島原発事故時の放射性物質汚染状況を東海第二原発に重ねた図
福島原発事故を起こして破綻状態ながら、税金投入されて延命している東京電力が、原電に資金援助して東海原発再稼働?
許せますか?
↓こちらから東海原発再稼働反対署名できます。
署名:東電さん、私たちのお金を東海原発再稼働に使わないで
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東海第二発電所は本当は東海発電所であって原発ではない。
投稿: ガーゴイル | 2021年1月17日 (日) 21時13分