甲状腺がんの若者
2021年4月25日 東京新聞 「こちら特報部」 より
3月20日、NPO法人「3.11甲状腺がん子ども基金」https://www.311kikin.org/ 主催のビデオ会議に招待された、甲状腺がんに罹患した男女が発言しました。「3.11甲状腺がん子ども基金」は、がんと診断された若者に療養費を給付する団体です。
県は、「甲状腺がんは予後がよく寿命に影響するケースが少ない。だから積極的に検査すべきでない」とし、検査を縮小しようとしています。
しかしこの会議で発言した罹患者の若者の皆さんは、事態を遥かに重く捉えています。
・もも子さん(26・女性):「原発が爆発した頃、自宅の庭で掃除をしていました。社会人2年目でがんと告げられたとき、『あのとき外にいたからでは』と真っ先に思いました。県や政府は被曝の影響を認めていませんが、ではなぜ私ががんになったのか、疑問ばかりが残ります」「妊娠や出産に影響がないか不安がある。県が責任を持って当事者の声を調査し、相談窓口を拡充するなどの支援につなげてほしい」
・Sさん(24・女性):「がんの原因といえば、遺伝か被曝。事故の影響があると考えざるを得ない。」「(甲状腺切除手術後)無気力になり、寒がりにもなった。動作は遅くなったし、記憶力も鈍った。うつ状態に当てはまることが多かった。」「ホルモン剤を毎日飲まないといけない。飲み忘れると1日中、倦怠感が続く。」
・Hさん(20・男性):「たった10年で結論は出せないはず。原発事故はそんなに薄っぺらいものではない。」「自分は症状が軽い段階で見つかったので(甲状腺の)半分の摘出で済んだので、ホルモン剤は飲まなくて済んでいる。」「がんに罹った人を、罹らなかった人と同様に不自由なく生活できるようにしてほしい」
・Tさん(26・男性):(甲状腺を全摘。肺やリンパ腫への転移が懸念される)「手術後も定期的に経過観察を受けている。」
・Mさん(27・男性):既にリンパ節を摘出。術後に「甘く見ないでね、と言われた」
「3.11甲状腺がん子ども基金」が福島県内の給付金受給者に対して行ったアンケート、「甲状腺がんについて原発事故の影響があるか」という問いに対しての回答は以下の通りでした。
ある 70%
わからない 33%
ない 7%
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